通勤用に、ぶっ飛ばせる自転車を買った。
安物だが、26インチの21段変速、折り畳み式と、これまた願ったり叶ったり仕様な憎いヤツ。
パニックの治療で、「運動療法」なるものを勧められたので、ここは素直に真に受けておこうと。それに薬の副作用で少し太り始めたこともありまして。
通勤が、楽しくて仕方ない。
先週まであれだけ引きこもっていた自分が、まるで他人のようだ。
一進一退、と掛かり付けの先生は言うけれど、結局どんな薬を飲むより、どんなに休息を取るより、自分自身に意欲がある時こそ本当の治療のチャンスだと思うわけで。
まだまだ仕事中の心の危うさは否めないけれど、しばらくは先輩たちに甘えようと決めた。
ぶっちぎってやりますから、絶対に。
帰りは職場のある虎ノ門から銀座、晴海方面にほんの少し遠回りをして、東京湾を眺めながらの帰り道。
ひょっとしたら、ひとりで電車に乗れるようになるよりも早く、きっとコイツがおれを思いのほか遠くへ連れて行ってくれるかもしれない。
それに何より来る冬のカレイ釣りのポイントもなんとなく絞れたし。
そんな期待をしながら、しゃーこしゃーことペダルを漕ぐのです。
電光石火で、駆け抜けるのです。
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