一番の問題は、おれ自身、他人の言葉に1mmも動揺しないことなのかもしれない。
会社の上司に怒られているときに、なんとなく、そう思った。
ここ一ヶ月は仕事で失敗続きの日々。上司の「お前は気が緩んでいる」という言葉に対して、「ほぉ、そうですか」としか言いようがないおれに、なんというか、呆れ半分の心強さを感じてしまったりして。
確かに、おれの病気も心の緩みに一因があることは否めないし、もしかしたら心をビシっ、と引き締めることで全てが解決するのかもしれない。
正直、なんだかよくわかんねぇんだなぁ。
「正しいこと」を楯に出されてしまうと、「ほぅ、そうですか」としか言いようがなくなってしまう。
「正しいこと」に、果たして自分の夢や哲学を任せるだけの価値があるかどうかも分からない。
分からない、と言うより、そこに価値を見出すことすらバカバカしくなっているのかもしれない。
要は、ほんのちょこっと、おれ自身が冷めているのかもしれない。
帰り道。
誰かが晴海ふ頭でトランペットを吹いていた。
悪くない夜だなぁ。
夜の路地に響くのは 聞き覚えのあるような
懐かしくていとおしい 涙だらけのメロディ
見も知らぬ誰かの 恋心を乗せて
ガードレールまたいでは 闇に消えていくよ
ブルーハーツ きっと誰もが泣く夜だ
丸い月に目を細め ひとつ指を打ち鳴らす
忘れたくて思い出した バカバカしい夢もある
独り歩く僕を その場限り飾る
うる覚えの唄なんて 信じないと決めたのさ
ブルーハーツ たぶん夢は叶うだろう
通り過ぎたはずの 確かめたはずの
そんな唄を今夜は ふと思い出したのさ
ブルーハーツ きっと誰もが泣く夜だ
ブルーハーツ ずっと夢は続くだろう
そっと口ずさむ夜だ
~Yo-Hendrix『ブルー・ハーツ』より転載~
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